お知らせ

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宮崎椅子製作所様にお話を伺いました
2026/05/28(木)
ネットで注文すれば、簡単に椅子が届く時代。
でも、画面の「写真」や「文章」だけでは、その椅子が持つ空気感や座り心地まではなかなか伝わりません。
そんなことを感じながら、私たちは徳島県にある 宮崎椅子製作所 の工場を訪ねました。

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● 「木」が「椅子」に変わる、その境界線で
工場をお邪魔すると、木の香りと共に、真剣ながらもどこか温かい空気が流れていました。
まず驚いたのは、その「手間」の掛け方です。
大枠は機械で加工されているものの、最後に「触れて心地いい」と感じる質感を生み出すのは、人の手の感覚。仕上げには、一つひとつ丁寧に手作業でヤスリがけが施されていました。
▼角のある状態から見慣れたフォルムに
レザーの加工場では、できる限り美しい部分を使えるよう、傷を避けるための目印を付け、わずかな傷さえ見逃さない。一見すると贅沢な使い方にも思えますが、その裏には革を少しでも無駄にしないため、まるで緻密なパズルを組むように裁断が行われていました。それでも、どうしても端材は出てしまいます。
「ゴミじゃないしね」
社長の何気ない一言に、材料を大切にする想いが伝わってきました。端材も近隣の工房へと繋ぎ、決して無駄にはしない。そんな姿勢がとても印象的でした。
▼傷を色ごとにランク付け。僅かな傷もチェック。
左▼1枚のレザーをパズルのように裁断 右▼布の裁断もズレが出ないようしっかり伸ばす様子
●少しの違和感が、座り心地と寿命を決める
宮崎椅子製作所の椅子は、とにかく座り心地がいい。
実際に、お客様からもそうした声を多くいただきます。
その心地よさの裏側には「試作」の積み重ねがありました。
「デザイナーの頭の中にあるものを、デザイナーの思いを壊さず、きちんと形にするのが私たちの意義。売れるものではなく、10年、20年、30年と長く続くものを作りたいんです」
そう語ってくださった社長の言葉が、とても印象に残っています。

「デザイナーさんは、いなくてはならない存在。彼らがいるからこそ、人は幸せや、本当に良いものに出会える」
デザイナーの思いを壊さないこと。そして、作り手が変わっても、プロダクトは変わらないこと。
社長の思いを支えるように、工場にはさまざまな年代の職人さんが働いていました。「良いものを作る文化」が、これから先も受け継がれていくのだろうと感じます。
試作は4〜5回繰り返されることも。経験値で「いけるだろう」と思っても、実際に座ると微かな違和感がある。その「微かな違和感」を放置すれば、椅子は短命に終わる。だからこそ、何度でも試作を重ねます。
「打ち合わせをすればするほど良くなるので、回数が多くなりすぎちゃうんですけどね」
そう苦笑いで話す社長でしたが、表情には、ものづくりを楽しんでいる空気が滲んでいました。

● 待つ時間も、愛着に変わる
この時代、受注生産の家具は価格もそれなりにしますし、大量生産の家具と比べると、納期もかかります。でも、この制作過程を見れば納得です。
少数精鋭の職人たちが、木材の加工から仕上げ、レザーや生地の張り具合の調整まで、一脚ずつ丁寧に向き合いながら送り出していく。
その丁寧さは、製作の様子だけでなく、工場全体の空気感からも伝わってきました。
隅々まで整理整頓された工場内。整然と並べられた部品たちは、それだけで美しく見えるほどです。丁寧なものづくりは、日々の積み重ねから生まれる。そんなことを改めて感じさせられる現場でした。
▼工場内はどこを見ても整理整頓されている
ネットで簡単に物が届く今の時代だからこそ、手仕事の価値を強く感じます。だからこそ、こうした背景ごと届けていきたいと感じました。CLASSICAへご来場いただいたお客様へは、より深くお伝えできたらと思います。
● あなたの「推し」はどの子ですか?
今回、宮崎椅子製作所を支える皆さんに「一番好きな椅子」を伺ってみました。
• 宮崎社長: 「どれか一脚は難しいね、やっぱり全部ですね」
• ヒラセさん: 「ぴったり座れる感じが最高な『No.42』ですね。クッションの柔らかさが好みです」
• フジワラさん: 「私は『Bar(バー)』。この曲線美に一目惚れして入社したんです」
• モリさん:「どれかってなると迷うのですが、椅子なら、広めのものが好きですね。胡坐もかきたいので(笑)。ソファも本当に座り心地が良くて、つい寝てしまいます」
お話を聞いていて感じたのは、メーカーの皆さん自身が、誰よりも宮崎椅子のファンだということ。
“携わっている人が、本気で好きなもの”。その熱量が、椅子そのものの魅力につながっているのだと思います。










